イベリコ豚

ツアー / エコツアー

Paladéente las musas con jamón y vino añejo de Rute.

Miguel de Cervantes

イベリコ豚

最高に”おいしい” サスティナビリティ(自然環境に配慮したシステム)の一例

イベリコ豚たちは、一日に10キログラムものドングリを、しかも”殻をむいてから”食べることをご存じでしたか?殻をむく、という行動は霊長類以外ではイベリコ豚だけができる技なのだそうです。また、イベリコ豚のお肉には、健康によいといわれるHDL(善玉コレステロール)が含まれていることや、モンタネラという自由放牧期にはイベリコ豚たちは自由にすきなだけ草原を掘ってドングリを食べていることを、皆さまはご存じでしたでしょうか?

イベリコ豚の育成には、広大なスペインの中でも西部に位置する一部の地域だけが適しています。この地域はDEHESAと呼ばれる草原地帯で、穀物、何百年もの樹齢を誇るカシの木、そして牛、羊、豚たち家畜が一体となった生態系が成り立っています。人間が、自然環境を損なうことなく持続的・実利的に自然の原風景と共存していけるという素晴らしい例がここに見られます。シエラ・モレナ地域にあるコルドバの草原は、アラブの人々に”ファス・アル・バル(どんぐりの谷)”として知られており、その42万ヘクタールにおよぶ一帯は今日最も広大な自然保護エリアとして、2002年には正式にユネスコ自然遺産に登録されました。

あらゆる自然の風景と同じように、デエサには固有のリズムがあり、一年を通じて四季折々の魅力にあふれています。春の喜びに満ちた風景には、子羊たちを連れたお母さん羊、そして毎年恒例の羊たちの毛刈りを見ることができます。一年中いつでも、熟練の職人による本物のイベリコハムとソーセージ作りの技術を見ることができますし、コルタドールと呼ばれる専門家の、それぞれのハムの味わいを生かして薄切りにするスライシングの美技を目の当たりにすることができます。すべての季節にそれぞれの素晴らしさがあふれるコルドバですが、とりわけ見逃せないのは秋と冬です。芝は最も青々と茂り、美味しい食用キノコが顔を出し、モンタネラ期間中―舎の放牧地を自由気ままにドングリや植物の根の食べ歩きにいそしみ、イベリコ豚のハムの比類なき味わいの源になる―イベリコ豚が食するドングリをそこかしこに見ることができます。